2027年の香りトレンド予測――ホテル・旅館からオフィスまで広がる「HINOKI & THYME」

プロモツール香り技術研究所は、2027年の香りトレンドとして、ヒノキの木質感にハーブの清々しさを重ねた「ウッディ×ハーバル」の香調に注目しています。その具体的な提案が「HINOKI & THYME」です。

2024年に向けた初回の発表から、今回で4回目となる香りトレンド予測。2027年は、ホテル・旅館で滞在を彩る香りに加え、オフィスで会議後の空間を切り替えるルームスプレーとしても、ヒノキの香りの需要が広がると予測しています。本記事では、この香調を選んだ理由と香りの構成、相性のよい施設や取り入れ方をご紹介します。

2027年の香りトレンドは「HINOKI & THYME」―ティーの安らぎから、森の温もりへ

近年、自然を身近に感じたり、日常のなかで心身をリフレッシュしたりすることへの関心が高まっています。森林浴を連想させる香りはこうしたニーズと親和性が高く、なかでもヒノキは日本人になじみ深く、木の温もりや森の清々しさを感じさせる素材です。

プロモツールはこれまで、2025年に「ホワイトティー&タイム」、2026年に「アールグレイ&タイム」と、タイムを軸にした香りを提案してきました。2027年は、こうした落ち着きや心地よさを求める志向が、木の温もりや森に包まれるような感覚を楽しむ香りにも広がると予測しています。(※2026年の香りトレンドについては、コラム「2026年夏、市場が「アールグレイ&タイム」を求める理由」でも詳しく解説しています。)

「HINOKI & THYME」は、ヒノキの落ち着いた木質感に、タイムのグリーンでハーバルな清々しさを重ねた香りです。これまで提案してきたタイムの魅力を受け継ぎながら、香りの中心をティーからウッドへと移し、親しみやすさと新鮮さを併せ持つ香りを表現します。

香りを単に空間へ付加するものではなく、過ごす時間や空間の価値を高めるものとして捉える動きも、この予測を後押ししています。ホテルや旅館、スパではその施設ならではの印象を香りで演出できます。自宅でも、仕事と休息の切り替えや入浴後のリラックスタイムなど、日常のさまざまな場面で香りを楽しむことができます。

こうした用途では、甘さや華やかさを前面に出す香りだけでなく、自然な清潔感や落ち着きがあり、長時間過ごす空間にもなじみやすい香りが選択肢になります。空間の用途や過ごし方に合わせて香りを選ぶという視点は、今後の香り選びでさらに意識されていくとプロモツールは予測しています。

森林浴を思わせる、木々が高くそびえる森を見上げたイメージ

香りの構成――トップ・ミドル・ベースノートで見る「HINOKI & THYME」

「HINOKI & THYME」は、木曽ヒノキや青森ヒバを軸としたウッディノートに、タイムのグリーンでハーバルな香りと、オリバナムの落ち着いた香りを重ねたフレグランスです。複数のウッディノートが織りなす奥行きと、植物の自然な表情が調和し、温かみと落ち着きを感じさせます。

  • トップノート:タイム、セイヨウアカマツ
  • ミドルノート:木曽ヒノキ、青森ヒバ
  • ベースノート:オリバナム

「HINOKI & THYME」で大切にしたのは、森林を思わせる清々しさに加え、ヒノキが持つ温かみや木材そのものの質感を表現することです。タイムのハーバルな香りで奥行きと個性を加え、木に囲まれた空間にいるような安らぎと、木の温もりに包まれる心地よさを目指しました。ゆったりと過ごす時間にも、仕事の合間に気持ちを切り替える場面にも取り入れやすい香りを提案します。

需要が高まる施設と、香りブランディングへの取り入れ方

プロモツールは、ホテル・旅館、スパ・温浴施設、ウェルネス関連施設に加え、オフィスや住宅向けのルームスプレーなどでも、ヒノキを軸とする香りの需要が広がると予測しています。

ホテルや旅館では、香りで空間の印象を高め、その施設ならではの世界観を演出できます。ヒノキは和風・洋風を問わずさまざまな空間に取り入れやすく、スパや温浴施設では木の温もりを感じさせる香りが入浴や休息の時間を心地よく演出します。

木と緑に囲まれた浴場に、タオルとバスソルトを置いたホテルのスパのイメージ

オフィスでは、会議後の空間を切り替える「ワンプッシュ」に注目

オフィスで特に注目しているのは、会議の後や多くの人が集まった後、換気とともにルームスプレーをひと吹きし、空間の印象を切り替える使い方です。ヒノキの清々しい香りにタイムのハーバルな印象を重ねることで、次の仕事や来客を迎える場面に、爽やかな雰囲気を添えます。

香りを常時広げる使い方に加え、必要なときにワンプッシュで取り入れる。こうした手軽な使い方が、ヒノキの香りを日常のビジネスシーンへ広げるきっかけになると考えています。会議室や応接室など、利用者が入れ替わる空間で、その場を使う方の好みに配慮しながら、少量から取り入れる方法を提案します。

住宅向けには、ディフューザーやルームスプレーとして、日常のなかで自然を感じたい方や、落ち着いた香りを求める方に提案できます。また、ホテル・旅館ではアメニティやボディケア製品への展開も考えられます。空間だけでなく、滞在中のさまざまな場面や帰宅後にも、ヒノキの香りを楽しんでいただけます。

この香調を取り入れる際は、まず「どのような時間や空間を演出したいか」を明確にし、香りを使う場所と役割を決めます。ホテルのロビーで来訪者を迎えるのか、客室でくつろぎを演出するのか、オフィスで会議後の空間を切り替えるのかによって、適した使い方は異なります。

そのうえで、ディフューザーやルームスプレーなどの展開形式を選び、実際の空間で香りの強さや広がり方を確認します。ホテル・旅館では、アメニティや持ち帰り用の商品への展開も選択肢になります。共通する香りの世界観を持たせながら、空間と商品それぞれの用途に合わせて調整することが大切です。(※空間の香りをルームスプレーやアメニティなどの商品にする流れについては、コラム「空間の香りをルームスプレーや客室アメニティとして商品化する方法」でも詳しく解説しています。)

香りの提案から設計・品質確認まで―プロモツール香り技術研究所

この予測をまとめたのは、プロモツール香り技術研究所です。調香師をはじめとする専門チームが、香り開発で培った知見や顧客との対話、市場動向を踏まえ、翌年に向けた香りを提案しています。

プロモツールは、JALのエグゼクティブラウンジ、豪華客船「飛鳥Ⅲ」、グランドニッコー東京台場などの香りの開発・演出を手がけてきました。施設ごとの世界観や用途に合わせて香りを設計してきた経験を、今回の提案にも活かしています。

調香師が香りの世界観を設計し、フレグランスアナリストが成分分析を担うことで、感性と分析の両面から香りづくりを支えています。ガスクロマトグラフィーによる成分分析を品質確認に活かし、展開する製品や用途に応じた確認を行います。(※香料の安全性を調香師と分析体制で確かめる考え方については、コラム「「天然香料なら安全、合成香料なら危険」は本当か?」でも詳しく解説しています。)

2027年に向けて香りの活用を検討しているホテル・旅館、オフィスのご担当者様は、ぜひ香りブランディング(プロモツール)へご相談ください。施設のコンセプトや香りを取り入れたい場所、使う場面を伺い、空間芳香からルームスプレー、アメニティ・物販商品まで、目的に合わせた香りの活用をご提案します。

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