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ホテルのロビーや企業のオフィスで使われているオリジナルアロマは、空間で香らせて終わるものではありません。同じ香りをルームスプレー、ハンドソープ、香水、シャンプーなどへ展開することで、空間で体験した香りを持ち帰り、贈り、販売できる商品にすることができます。オリジナルアロマを複数の接点で活用することは、香りを企業や施設のブランド資産として育てることにつながります。
同じ香りを複数の製品へ展開することは可能です。基材による香りの変化は、シリーズ化で向き合う課題です。そのためには、共通して残したい香りの特徴をあらかじめ決め、製品ごとに配合と評価を行っていく必要があります。ここでは、企業やホテルのオリジナルアロマを商品化したい方や、香水OEM、香りグッズOEMをご検討の方に向けて、同じ香りを複数の製品へ展開する際の設計の考え方を整理してお話しします。
「同じ香り」は、同じ配合を意味するのか
たとえば、みずみずしい柑橘と穏やかな木の香りが特徴のホテルのオリジナルアロマを思い浮かべてみてください。空間ではロビーに入った瞬間の印象を、ルームスプレーでは噴霧したときの広がりを、ハンドソープでは手を洗っている間と洗った後の香りを、香水では身につけた後の余韻を大切にするといった設計が考えられます。
このとき目指すのは、それぞれの場面で「あ、このブランドの香りだ」と感じていただくことです。香料の配合を共通にする方法もあれば、製品に合わせて調整していく方法もあります。どちらが適切かは、実際の基材を使って試作しながら判断していきます。
企画の初期段階で決めておきたいのは、爽やかさや甘さ、余韻といった要素のうち、何をシリーズの共通点にするかです。すべてを同じ強さにそろえることだけが、ブランディングの方法というわけではありません。
大切なのは、すべての製品で香りを完全に同一にすることではありません。空間、香水、ハンドソープ、シャンプーなど、使用場面が異なっても、その企業やホテルらしい香りだと認識できる状態をつくることです。同じ香りの個性を複数の製品に展開することで、一つのオリジナルアロマから継続的な商品シリーズを育てることができます。
空間の香りを商品化するときに変わる香りの条件
基材とは、香料を受け止める製品の土台のことです。一般的なアルコール系香水、水と油を乳化させたクリーム、界面活性剤を含むシャンプーでは、香料成分が置かれる環境がそれぞれ異なります。
私たちが香りとして感じるのは、配合された成分のうち、空気中へ出て鼻に届いたものです。液中の配合が同じであっても、成分ごとの立ち上がり方が変われば、香りのバランスも違って感じられることがあります。
香水は、つけ始めから余韻までを確認する
アルコール系香水は、吹きかけた直後と時間がたった後とを分けて評価します。試香紙での印象だけでなく、想定している実際の使い方でどう香るかを確かめることが大切です。空間で使用しているオリジナルアロマの印象を、身につける香水として長く残したいという場合もあるでしょう。
クリームは、塗り広げた状態で確認する
クリームの場合は、油分や乳化の構造が香料成分の分布や放出に影響を与えます。容器の中で嗅いだ印象だけで決めてしまわずに、肌に塗り広げたときや、なじんだ後の香りまでしっかり評価します。基材そのもののにおいがあるときは、それもあわせて確かめておきましょう。
シャンプーは、洗う過程で確認する
シャンプーは、お湯で薄まり、泡立ち、すすがれる過程で香りの条件が大きく変化します。界面活性剤系を調べた研究でも、希釈や組成によって空気中へ出てくる香料成分が変わることが示されています。そのため、ボトルから直接嗅いだ印象だけでは、使用中の香りを判断できません。
洗髪中の香りと、乾かした後に残したい香りとでは、別々に目標を置きます。「シャンプーなら必ず軽く香るはず」といった一律の決めつけは避け、実際の処方と使用条件に沿って確かめていきましょう。

香料を増やす前に、安全性と基材との相性を確かめる
香りが弱く感じられたからといって、添加量を増やせば解決するとは限りません。界面活性剤を含むモデル系での研究でも、香料濃度を倍にしても、空気中の香料成分の濃度は同じ比率では増えませんでした。製品開発においても、配合量と感じる強さは切り離して考える必要があります。
また、洗い流す製品と肌に残す製品とでは、使用する部位や接触条件が異なります。香りOEMでは、用途に応じたIFRAスタンダードへの適合と、最終製品としての安全性評価を確認します。適合証明があることだけで、安全性評価の代わりとすることはできません。
香りの立ち方に加えて、変色や分離、粘度の変化、容器との相性なども欠かせない確認項目です。香料会社と製造を担う会社の間で、どの試験をどちらが担当し、何を合格条件とするのかを共有しておくことで、後からの手戻りを減らせます。
開発依頼で共有したい情報
企業やホテルのブランド商品、高級化粧品としての差別化を目指すなら、「高級感のある香り」という漠然としたイメージを、誰が、どのような場面で使うのかというレベルまで具体化しておくと、ご相談がスムーズに進みます。館内販売、EC販売、宿泊者向けアメニティ、VIPギフト、社員向け記念品など、想定する用途によって適切な製品や香りの設計も変わります。
初回の打ち合わせでは、次のような情報を共有していただけると安心です。
- 基準となる香りと、特に残したい特徴
- 展開する製品、使う部位、洗い流すかどうか
- 基材のサンプルや処方情報、容器の候補
- 使用中と使用後、それぞれに求める香りの強さ
- 館内・店舗・ECなどの販売先、ギフトやアメニティなどの用途、希望時期、数量、予算、評価を担当する人
まだ決まっていない情報があっても、決まっている点と相談したい点を分けておくだけで、次に進めるべき試作を整理できます。空間で使用しているオリジナルアロマのどの特徴を商品にも残すのか、最初にどの商品へ展開するのかといった点も、早い段階で話し合っておきたいところです。
試作後は、共通する香りの特徴がしっかり残っているか、そして各製品として心地よく使えるかを確かめます。さらに、シリーズをあわせて使ったときの香りまで確かめておくと、単品の評価だけでは見えてこないブランド体験全体を検討できます。

ブランドらしい香りを空間から商品へ展開するために
プロモツールには、日本を代表するマスター調香師・渡辺武志をはじめとする調香師陣と、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)による成分分析体制があります。香り技術研究所において、分析結果を香料の確認や品質管理に活用し、安全性と品質を両立した商品開発に取り組んでいます。
プロモツールは、JALやJRタワーホテル日航札幌などの香りブランディングを手掛けてきました。そこで培ったブランド理解と調香技術を活かしながら、化粧品や香りグッズへの展開では、それぞれの基材、使用方法、安全性に合わせて改めて試作と評価を行います。空間と商品では香り方が異なるからこそ、両方の知見を持つことが、一貫したブランド体験の実現につながります。
まず一商品から
空間で使用しているオリジナルアロマを、最初から多くの製品へ展開する必要はありません。まずは、ルームスプレー、ハンドソープ、サシェなど、そのブランドや施設との親和性が高い一つの商品から始めることができます。その商品の評価を踏まえ、ハンドクリーム、ヘアケア、ボディケア、香水などへ段階的に広げていくことが可能です。将来の商品展開を見据えて最初の香りを設計しておくことが、統一感のあるシリーズづくりにつながります。
同じ香りのシリーズをつくるには、ブランド共通の特徴を持たせることと、それぞれの製品に合った香り立ちを両立させることが欠かせません。
企業やホテルのオリジナルアロマを商品化したい方、空間で使用している香りを複数の製品へ展開したい方は、まず実現したい一つの商品と、その商品を使う場面を添えて、プロモツールへご相談ください。香りの開発から、空間への導入、化粧品・雑貨の商品化まで一貫してご提案します。
プロモツールの香りづくりに関するご相談
プロモツールの香りブランディングでは、ホテルや商業施設の空間演出から、企業・ブランドのオリジナルアロマ、香水、アロマスプレーなどの香り製品まで、目的や使用環境に応じた香りを設計しています。
ブランドの世界観を香りで表現したい企業・施設のご担当者様は、プロモツールの香りグッズOEM・香水OEMまでご相談ください。
香りに関する様々な知見を発信しております調香師のアトリエもご覧ください。
渡辺武志(わたなべ・たけし)
プロモツール株式会社 香り技術研究所 所長/マスター調香師。
世界最高の調香師教育機関であるISIPCA (France) SUMMER SCHOOL “ADVANCED PERFUMERY COMPOSITION” 修了。調香師養成機関を卒業後、プロモツールに入社。JALエグゼクティブラウンジ、飛鳥Ⅲ、万平ホテル、JRタワーホテル日航札幌、外資系ラグジュアリーブランドなど、数々の空間の香りによるブランディングを手がけている。



