化粧品の香り開発とは?シャンプー・ヘアケア製品で失敗しない設計

化粧品の香り開発で、試作のやり直しにつながりやすい原因の一つが、香料単体の印象だけで採用を決めてしまうことです。シャンプーやヘアケア製品では、容器を開けたとき、洗っているとき、乾いた髪で感じる香りまで、使用の流れに沿った確認が必要になります。

香りOEMを検討する商品企画・開発担当者に向けて、ブランドらしい香りの品質と安全性を両立するために、企画から量産前までに決めておきたい項目を解説します。

化粧品の香り開発は、製品としての使い心地まで設計する仕事

化粧品の香り開発とは、目指す印象に合わせて香料を選び、組み合わせ、実際の製品に配合して評価する工程です。どんな香りにするかに加え、どの場面で、どの程度感じてほしいかも決めていきます。

たとえば、夜に使うシャンプーで「洗う時間は華やかに、翌朝はほのかに香る」といった目標を置く方法があります。これは設計の一例であり、強く長く残ることがすべての製品の正解ではありません。

使う人や場面が曖昧なまま試作を始めると、社内の好みだけで評価が動き、修正の理由も伝えにくくなります。まずは、香りで届けたいブランド体験と、評価する場面を共有することが出発点です。

シャンプーの香りは、基剤との組み合わせで変わる

基剤とは、洗浄成分や油分など、製品の土台となる処方のことです。香料はこの土台の中で使われるため、試香紙で好ましく感じた香りが、製品でも同じように香るとは限りません。

界面活性剤を用いた研究では、界面活性剤の構造や、水で薄める条件によって、空気中へ出てくる香料成分の量や構成が変わることが示されています。モデル処方の結果をすべての製品に当てはめることはできませんが、実際の基剤で評価する必要性を考える手掛かりになります。

また、モデルシャンプーを用いた国内研究では、界面活性剤と高分子の組み合わせが、香料成分の毛髪への残り方に関係することが報告されています。残香を調整するときも、香料だけを増やすのではなく、製品処方との組み合わせを検討することが大切です。

シャンプーとトリートメントを同時に開発するなら、それぞれ単独の評価に加え、続けて使用したときの香りも確認しましょう。シリーズ全体で届けたい印象を先に決めておくと、各製品の役割を相談しやすくなります。

化粧品の基剤と香料を組み合わせた試作・評価のイメージ

香りの試作前にそろえたい評価条件

評価時の条件がそろっていないと、香料を変えた効果と、使い方の違いを区別しにくくなります。開発初期に、少なくとも次の項目を整理しておきましょう。

  • 届けたい印象:ターゲット、ブランドの世界観、参考品とその好きな点・避けたい点。
  • 製品の条件:製品形態、基剤の有無、洗い流すかどうか、併用を想定する製品。
  • 評価する場面:開封時、使用中、すすぎ後、乾燥後など、重視するタイミング。
  • 進行の条件:予算、希望数量、発売時期、評価担当者と最終決定者。

たとえば試作品の比較では、使用量やすすぎ方、乾燥方法、評価までの時間をそろえます。「もう少し上品に」という感想も、「乾燥後の甘さを抑えたい」まで具体化できれば、調香師と処方担当者が修正の方向を共有しやすくなります。

化粧品の安全性と安定性を、量産前に確かめる

香りの方向性が決まったら、製品に配合した状態での確認を進めます。保管中の香りや色の変化、分離の有無、容器との相性など、想定する流通・保管条件に合わせて評価を設計します。

化粧品の安定性試験に関する業界ガイドラインでは、製品や処方に合わせた試験と、内容物・容器の組み合わせの確認を重視しています。試験期間や条件を一律に決めず、製造側と合意しておくことが必要です。

香料の安全性を確認する際は、使用する製品区分と配合量に応じた検討も欠かせません。IFRA基準への適合証明は、指定用途での基準適合を示すものですが、最終製品の安全性評価そのものを代替するものではありません。

香料開発先と製造先が異なる場合は、サンプルの受け渡し、試験の担当、必要資料、仕様変更時の再確認を誰が担うかも決めましょう。香りを採用した後の工程まで見通しておくことで、量産直前の手戻りを減らしやすくなります。

香りOEMの相談先を比べる際も、一流企業・一流ホテルへの採用実績に加え、ガスクロマトグラフィーなどの分析体制と、自社製品で必要になる評価の進め方を確認しましょう。

香料ボトルと試香紙を使った香りの評価イメージ

ブランドらしい香りを、製品として届けるために

シャンプー・ヘアケア製品の香り開発では、ブランドの世界観を表すことと、実際の使用場面で品質と安全性を確かめることが大切です。香料単体の印象から一歩進み、基剤や容器、使い方まで含めて設計することが、狙ったブランド体験につながります。

プロモツールでは、日本を代表する調香師・渡辺武志をはじめとする専属調香師が、ブランドのコンセプトを香りに落とし込みます。渡辺氏は、JALエグゼクティブラウンジや万平ホテルなどの創香プロジェクトを手がけてきました。

さらに、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC-MS)による香料成分の分析・管理を組み合わせ、感性と科学の両面から安全性と品質の両立を支えています。完成品については、実際の処方や用途に応じた評価も行うことが必要です。

JAL、飛鳥Ⅲなどの一流企業や、グランドニッコー東京 台場などの一流ホテルでの香りの採用実績も、こうした取り組みの背景にあります。調香師の設計力、化学的な品質管理、豊富な採用実績を活かし、ブランドの香りづくりを支援します。

自社のシャンプー・ヘアケア製品にふさわしい香りを検討している方は、まずはプロモツールへご相談ください

プロモツールの香りづくりに関するご相談

プロモツールでは、ホテルや商業施設の空間演出から、企業・ブランドのオリジナルアロマ、香水、アロマスプレーなどの香り製品まで、目的や使用環境に応じた香りを設計しています。

ブランドの世界観を香りで表現したい企業・施設のご担当者様は、プロモツールまでご相談ください。

香りに関する様々な知見を発信しております調香師のアトリエもご覧ください。

渡辺武志(わたなべ・たけし)

プロモツール株式会社 香り技術研究所 所長/マスター調香師。

世界最高の調香師教育機関であるISIPCA (France) SUMMER SCHOOL “ADVANCED PERFUMERY COMPOSITION” 修了。調香師養成機関を卒業後、プロモツールに入社。JALエグゼクティブラウンジ、飛鳥Ⅲ、万平ホテル、JRタワーホテル日航札幌、外資系ラグジュアリーブランドなど、数々の空間の香りによるブランディングを手がけている。

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