銀河系調香師「The SUN」
天気の良い日にしっかりと干されたお布団へダイブ!
暖かさと洗濯後の清潔感のある匂いがとても気持ち良いですね。
「あぁ、お日様の匂いね、うんうん」
あるとき、あのお日様の匂いの正体はダニの死骸だ!? という衝撃的な記事を読み愕然としました。
しかし、ある化粧品会社の研究によると、 “布団の綿の繊維が太陽光によって分解され、 そこに付着している脂肪酸、アルデヒド・アルコールなど 微量な揮発物質が発生。 あの独特な「お日様の匂い」が発生する” との報告が!
ダニの・・・は、都市伝説だったようです。やれやれ。
・・・でも、「太陽そのもの」には匂いがあるのだろうか?
地球から約2万5000光年の彼方。 太陽系の物理的中心の恒星である太陽。
太陽の内部では水素の核融合反応が常に起きていて、 表面温度は6000℃、内部は1600万℃と言われています。
太陽を構成する元素として水素、アンチモン、銅、 ヘリウム等があります。 超高温高圧のビーカーの中で元素がブレンドされている、 と考えると、 太陽って実は偉大なる銀河系調香師なのでは?
宇宙旅行が身近になる近い将来、太陽の超高温にも耐えられる素材で造られた宇宙船に乗り、 直接、太陽の匂いを嗅げる日が来るのでしょうか?
いったい、どんな匂いがするのでしょう?
実は「宇宙空間」に匂いは存在します。
宇宙の香り®︎
皆さんは地上からの高度100km以上=宇宙空間に行ったことはありますか?
今までに500人超の方が宇宙空間に行ったそうです。
ISS(国際宇宙ステーション)に長期滞在した方が、延べ160人程がいらっしゃるそうです。偶然にもISSに長期滞在された方に、この投稿を読んで頂けるとしたら、こんな光栄な事はありません。
そもそも“宇宙の匂い®”とは何なのか?どんな匂いがするのか?
宇宙飛行士たちは宇宙船の船外活動から帰還すると、「宇宙には独特の香りがあった」と証言しています。諸説ある中、宇宙飛行士として活躍された山崎直子さん曰く、“宇宙の香り®はラズベリーの様な匂い”との事。
その正体は「ギ酸エチル(ethyl formate)」です。射手座B2は分子雲複合体。天の川銀河のことです。その天の川の中心地に、このギ酸エチルが存在していることが発見されました。
このギ酸エチルは、ラム酒やウィスキー、フルーツ類、一部の野菜にも含まれています。食品用香料として、主にフルーツ系の香料のトップノートに利用されています。ギ酸エチルだけを高濃度で嗅ぐと、スーッとする接着剤や除光液の様な匂いだと感じます。
逆に低濃度になると、フルーツをカットした時に最初に感じる新鮮なフルーツ特有の甘い匂いになります。同じ成分でも濃度の高低によって香りの印象が変わるのはよくある事です。
宇宙船の船外活動中に宇宙服に付着するのがこの、ギ酸エチルなのです。船外活動から戻った時、船内の空気中で揮発し、匂いを感じるという仕組みです。
当社で調香した「宇宙の香り®︎」
当社コーポレートサイトでも導入事例として紹介していますが、2016年に開催された「DMM.プラネッツ by teamLab」において当社の「宇宙の香り®」を採用して頂きました。
(詳細はコチラ)
残念ながら、ギ酸エチルだけではラズベリーの匂いにはならないので当社が作成した「宇宙の香り®」には、ギ酸エチルと他の成分も配合し、全体としてラズベリーの匂いイメージに仕上げました。
この果てしない宇宙空間のどこかの星には、人類が未だ見たことのない花や匂い物質があるかもしれません。
10年後か20年後か。
宇宙旅行が現実となった時、実際に無重力を体感しつつ「宇宙の匂い®」を嗅いでみたいですね。
*ちなみに、「宇宙の匂い®」「宇宙の香り®」は、当社の登録商標です。