香りの都グラース

香りの都グラース

香水の歴史において特別な場所


香水の歴史において特別な場所

香水の歴史において特別な場所が、南フランスのグラースです。フランス南東部、ビーチで有名なコート・ダジュール。 カンヌからナポレオン街道を通り、内陸地域の高台にあります。温暖な気候で沢山の芳香植物が育つ土地です。
なぜグラースは香りの都と呼ばれるようになったのでしょうか?

イタリア、フィレンツェのメディチ家出身であるカトリーヌはフランスのアンリ二世にお輿入れする際、当時のフランスよりも遥かに文化的に成熟していたイタリアから様々な文化を持ち込みました。

当時のフランスでは、食事の際まだ手掴みで食べていたとか。ナイフやフォークなどのカトラリー製品もカトリーヌがフランスに伝えたと言われています。

絢爛豪華なお嫁入り道具、彼女専用の使用人に調理師。
そして、専属の調香師も連れて行ったと言われています。

お輿入れの際に立ち寄ったこの地をカトリーヌがたいそう気に入ったそうです。この調香師達が香水の原料となるローズ、ジャスミン、 ラベンダーなどの花々や果実の栽培、そして精油工場を作り 香料作りを始め、後に香水産業を発達させたと言われています。

中世の後期、グラースでは皮産業が盛んでしたが、 皮をなめす時の異臭が問題でした。これをマスキングする為、 プロヴァンス地方の香りの良い植物が使われるようになりました。その後、皮産業は衰退し香料産業が 盛んになっていったのです。 多くの香料会社が誕生し沢山の香料を生産、 開発していきました。

現存する香料会社は少なくなりましたが、 いまでも”香りの都“、“香料のメッカ”として世界的に有名です。
 
 

グラースの街歩き


グラースの街歩き

迷路のような城壁や石畳みの路地には沢山の 小さな石鹸屋さんや、香りのお土産物店が並んでいます。
見どころたっぷりの国際香水博物館、現存する3つの有名な香料会社であるフラゴナール社、モリナール社、 ガリマール社では工場見学や調香体験などもできます。
また、香料原料となる花畑の見学もできます。 実際に花摘みができる畑もあるそうです。

5月頃から8月が見頃でしょう。
 
 


ローズ・ド・メ


センティフォリアローズ

グラースの花々 ローズ・ド・メ (ローズセンティフォリア) その名も、5月に咲く薔薇です。 早朝に摘み取り、午後には蒸留します。
蒸留後に残る香りの塊、コンクリート1kgを採取するには、 なんと400kgのバラが必要です。 グラースのこの貴重な薔薇のアブソリュートは、 収穫の前にすでに有名調香師から予約が入っているのです。
シャネルやクリスチャンディオールの高級メゾンでは 専用の畑を持ち、グラースの素晴らしいローズや ジャスミンを絶やすことなく守り続けています。

早く世の中が落ち着き、自由に往来できるようになったら。 是非、”香りの都グラース”を訪れてみてください。

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